明星工業トップ>製品紹介:グラップルジンクプライマー


1.塗料系の従来防食技術の欠点

ジンクリッチペイント(ZRP)とは、亜鉛めっき鋼材のように腐食に対して塗膜中金属亜鉛が犠牲的に溶出することで、鋼材に電子が供給され、安定にするという代表的なカソード防食技術の一つです。
しかしながら、沿岸地域などの高い腐食環境下においては、飛来してくる塩分によって亜鉛の消耗が激しくなるため、耐用年数が短くなるという欠点があります。
特に、沖縄県・茨城県鹿島・北海道苫小牧など三大腐食地域でのジンクリッチペイントを用いた重防食効果がなくなることが多々見受けられます。
3.光カソード防食
太陽光の紫外線を受けた針状導電性酸化チタンにおいては、その内部で電子が発生します。
この電子が金属へ移行する事によって金属自身の電位(腐食)がより低い電位(防食)に下がり、例え塩分が存在しても金属は錆びることはありません。
光によって金属を錆びさせないことを『光カソード防食』と呼ばれています。
2.グラップルジンクプライマーの開発
従来品の有機系ジンクリッチペイントに特殊な光触媒を添加した光触媒含有ジンクリッチペイント(グラップルジンクプライマー)を開発しました

4.グラップルジンクプライマーの防食理論
グラップルジングプライマーは、ジンクリッチペイント中の亜鉛の高防食性に加え、太陽光の紫外線を受けた針状導電性酸化チタンからの光エネルギー変換から得られた電子により、強腐食環境下においても優れた防食性を長期間機能させることができます。

5.グラップル重防食塗装システム
塗装工程 | 塗料名 | 材料系統 | 標準使用量 (g/m2/回) |
標準膜厚 (μm/回) |
プライマー | グラップルジンクプライマー | 光触媒含有有機系ジンクリッチペイント | 750 | 75 |
下塗り | グラップル下塗 | 浸透性変性エポキシ樹脂下塗塗料(弱溶剤形) | 510 | 100 |
上塗り | グラップル上塗HBU | 厚膜型ポリウレタン樹脂上塗塗料(弱溶剤形) | 220 | 55 |
グラップル上塗HBF | 厚膜型ふっ素樹脂上塗塗料(弱溶剤形) |


上塗り: 環境条件によって選択可能
6.促進試験
紫外線照射複合サイクル試験:JIS K 5621に準拠



従来品 | 開発品 | |
有機系ジンクリッチペイント | グラップルジンクプライマー | |
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沖縄環境 約6年相当 | ![]() |
